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ドラマ「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」 5話感想

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  「おつかれさん。」 東海林先輩 ねぎらって♡♡(五七五)

色々なことがあり涙スイッチが入りやすくなっていますポルカですどうも。

毎週観ているこのドラマですが、今日はストーリーがかなり盛り上がり、私の涙スイッチもONになってしまったので簡単に感想を書いておきたいと思います。

 

目の前で久保が自殺していく姿を見ながら、中島先生が比奈子に独白していくシーン。彼の殺人衝動は、被害者を悼み、犯罪を憎むがゆえのもの。思いつめた表情と裏腹に、これまで敬語を貫いてきた中島先生が比奈子にくだけた口調になる。彼の素の姿がようやく比奈子に開かれた。この物語の言葉で言うと、彼のスイッチはOFFになったんですね。汗かと思うほどに顔の側面を自然に流れる涙。中島先生の悲哀がひしひしと伝わってきました。

彼は5年前、現場の第一発見者になったことによって人生が変わったと言っていましたね。5年前からただひたすらに、被害者の苦しみへの共感や犯罪者への憎しみという負の感情に囚われていたのかと思うと、彼がかわいそうでなりません。ショッキングな殺人死体だったというのもあるでしょうが、すごく純粋な心の持ち主だからこそ、不条理な犯罪が行われるこの現実に傷付き、耐えきれなくなってしまうんですよね…。やりきれない。

 

そしてさよならの言葉。窓を開け、5年前の事件現場と同じように風で舞い上がるキャンディーの包み紙。拳銃を手に、窓を背に、引き金を引く。もう間に合わない…!!と思ったら、そこに東海林先輩!!!!間一髪、拳銃で撃ち落とした東海林先輩、めちゃくちゃカッコよかったです!!

物語づくりの大原則である、緊張と緩和が最大限に発揮された場面でした。「中島先生死んじゃイヤー!」(私の叫び)その緊張感から、東海林先輩が中島先生を救ったと分かった瞬間の安堵感。それはもう、東海林先輩をカッコイイと思うしかないですよね。人の命が懸かったこの一大危機に、いつもだったら踏み込んできて飛び蹴りでもくらわせそうなものですが、今回はあくまで冷静に仕事を成し遂げた東海林先輩。中島先生を遠巻きに見つめるその視線が、犯罪者を見る冷酷な目つきだったのも悲しかったです。頼りになるとまで言ってたのにね。

 

そして、あのシーン。かなりの名場面でした。 逮捕されて連行されていく中島先生へ、比奈子から。

 

藤堂「あなたのその顔だけは、見たくなかった。」

藤堂「…そう思うべき、だと。」

中島「思うべき、なんですね…やっぱり。」

 

シナリオと、2人の表情の演技がとても上手かった。この3文、それぞれのタイミングで涙スイッチON、ON、ONでしたよ。

まずシナリオですが、藤堂比奈子の決め台詞の1つ「あなたのその顔が見たかった」。視聴者に散々焼き付いているこの台詞。これを下敷きにした、「あなたのその顔だけは見たくなかった」。すごくうまいですよね。殺人スイッチが入る瞬間が見たいという理由で異常犯罪に「興味深い」と言い放つ比奈子が、「普通」の人間らしい感情を発露させた。

…と思いきや!「そう思うべきだと」判断したことを伝える。やっぱり比奈子は感情を持たないのか。ここでも人間らしさが欠損している比奈子が、なんともせつない。2人が恋愛関係になるかならないかは前回辺りからの注目ポイントの1つでした。よく物語で描かれる普通の恋愛の始まりと違って、お互いの気持ちをヒリヒリするような言葉で確認し合う2人。人間として好意を抱く「べきだと判断した」という比奈子に中島先生は悲しげに「…べき、ですか」と返していました。

そのやり取りを踏まえたうえで、また告げられた「そう思うべき」。中島先生の心中を思うと、とてもせつなかった。林遣都さんの表情が全てを物語っていたと思います。これは、比奈子の愛情を得られない悲しみもありますし、どこまでも非人間的な比奈子のその感覚を哀れんでいるところもあったと思います。

この場面で最後に残るのは、ここでもまた際立つ比奈子の異常性。しかし私は、比奈子は中島先生のことをかなり特別に想っていたし、自分に理解を示してくれたからという理由からだけでなく、彼のことを理解して親身になりたいという感情を抱いていたと思います。

ここでの台詞に関しても、表面上は理性的に捉えられるような、「あなたのその顔だけは見たくなかった、そう思うべきと判断しました」という言い回しをしています。しかし実は、心の奥に「あなたのその顔だけは見たくなかった、自然にそう思える自分だったらよかったのに」という願いが潜んでいたのではないかという見方をしました。こう感じたのは、「そう思うべき、だと」と言った比奈子の表情があまりにも打ちのめされていたからです。

人並みの感情を抱けないことに対し傷付くことは、比奈子が大人になった今更起こるようなことはなかったはずです。しかし、中島先生との出会いを経て、比奈子がそんな自分に傷付き、変わりたいという変身願望を抱き始めたのではないか。

比奈子が変わってほしいと私が願っているから、そう見えるのかもしれません。比奈子がこのまま感情を持たないMONSTARで終わってしまうのは、物語にあまりにも救いがなくてつらい。藤堂比奈子のことを私は親身になって心配しているのですね。喜怒哀楽が豊かで誰からも愛されるようなタイプのキャラクターではないのに、こんなにも藤堂比奈子の輪郭を視聴者の中に創り上げているのは、波留さんの演技力の賜物だと思います。

 

5話終了後に番組HPを初めて覗いて知ったのですが、公式でかなり詳細に解説されているのですね。

 さまざまな要因により混乱する比奈子のスイッチは、激しくONとOFFが切り替わっているような状態。波瑠さんの熱演が、比奈子の混乱を雄弁に物語っていたと思いませんか。

 そんな中で比奈子は、とっさに久保を助けようとしました。実はこの場面、とても重要なメッセージが込められているのです。ドラマの結末へ向かうための重要な場面であるため、波瑠さんと監督の話し合いは、“比奈子は、最後どうなるのか?”というところにまで及び、比奈子の心情を構成していきました。最後までご覧いただければ、皆さんにも必ずそのメッセージを受け取っていただけるはず!

 さらに、このシーンをきっかけにして、比奈子だけでなく周りのメンバーにも変化が生じてきます。それが最も顕著に表れた部分が、比奈子中島に向けて言った「あなたのその顔だけは見たくなかった」のひと言。比奈子の決め台詞ともいうべき「その顔が見たかった」という台詞は、中島以外の人間には見せていない“素顔の”比奈子が発していたはずなのですが、この瞬間は横に厚田渡部篤郎)もいました。この違和感にお気づきになりましたか?“素顔”と“仮面”が使い分けられないほどに混乱が生じている比奈子からポロリと出たこの言葉から、厚田は何か引っ掛かりを感じていましたよね。ドラマの後半では、この厚田の違和感が、比奈子に対して東海林横山裕)がずっと抱いていた疑惑の念と絡まり厚田班の空気を変えていきます。厚田班メンバーの変化にもご注目ください!

 そして、後半を読み解く上で重要なヒントとなるのは、中島比奈子に贈った言葉、「あなたの内面がどうであれ、その手はまだ汚れていない」です。“まだ手が汚れていない”比奈子だからこそ展開していく、彼女の歩む道をお見逃しなく!

HPに限らずtwitterでもそうなんですが、割と「ここを見て!ここに注目!」を示唆してくるタイプの公式ですよね…(笑) 好みは分かれるでしょうが、そのお膳立てをしておくことで、難解気味のストーリーをエンターテインメントに仕上げることができているのかもとは思います。厚田さんが近くにいたのにスイッチOFFな比奈子、言われてみれば確かにそこは気付いてなかったわ、という部分もありました。

 

今日、こんな記事が出ましたね。

観ている人には丸分かりではありますが、一応名前が伏せられているということで宣伝ではないガチ警告っぽいですね。

このドラマは確かにグロい。怖いのが苦手な私もキャーキャー言いながら観てます。今回も、久保が自死の過程で釘打っていくところ、クッションに顔埋めて音だけ聞いてました。描かれる犯人たちも、人殺しに切羽詰まった理由がある訳じゃないし、悔い改める訳じゃないし、そりゃまぁ教育に良いとは言えないでしょう。

でもね、それこそ実際に観ている人には、このドラマが猟奇性や残虐性のショッキングさだけをウリにしているんじゃないと分かっているはずです。

このドラマは、本当はすごく繊細に、人間誰もが持つ異常性や人間の悲哀を描いています。映像をこだわって作っていることが伝わってきますし、音楽との協調性も素晴らしい。グロさを乗り越えても観たいと思わせてくれる程に、とても丁寧にガイドしてくれてもいます。全ての取り組みが丁寧で、正直、このドラマはとても質が高い。それに、俳優陣の名演も光りますしね。(個人的には、波留さん、林遣都さんの今話の演技は名演でした。それから、これまで自殺させられた犯罪者達の役を演じられた俳優さん方は、皆さん感心するほどに怪演でした。 )

 「猟奇的に殺された姿を突然、前触れもなく放送することは、一部の人に『嫌悪感』『過度の刺激』を与える可能性がある」などとして、番組冒頭での事前表示などの必要性を指摘した。

「番組冒頭での事前表示」って言ったって、そんなのTVの前で最初から正座して観るタイプの人は内容分かってると思うのであんまり意味ないとは思うのですが…(笑) まぁ、これで勢いが削がれたり変に軌道修正することなく、このまま最終回までやり切ってほしいと思います。

そういえば新聞の文化欄で匿名記者の今期ドラマ評価みたいなのがあったのですが、数人いた中で1人、このドラマに花マルを付けていた人がいましたよ~。もう1人◎もいて、マイナス評価を付けた記者はいませんでした。ハマる人には、ハマるんですよね!そういうドラマが好きです。

 

来週からは、新展開が始まるということで「とても興味深いです」♪ 最終回までの流れも全く予測できないですね~。

そして、横山さんの短期連載「OFF」も毎日とても楽しみにしています!横山さん、ほんまそろそろ羽生えてきてるでしょ!

 

※1つだけ思い出したので追記。

早坂先生がやってきて「中島、久保どこやった」「和室の押し入れの中」って言われて慌てて開けた瞬間の大量の飴玉ザーーーーーーッ!!すっごいこわかったです。